縮小均衡の道をひた走る路線バスに未来はあるのか

以前在来線の利用促進策として2020構想を書いたが、これが意外や意外評判がよろしいようなので調子にのってw今回は同じ公共交通で路線バスについて書いてみることにしたい。

現在郡山市で路線バスを運営しているのは福島交通のみである(郡山にはコミュニティバスも無い筈、三春にはあったかな)。福島交通については以前にその経緯などを少し書いたが、労働争議による混乱、東北の政商小針歴二による乗っ取り、乱脈経営、小針一族の追放、経営破綻などの紆余曲折を経て現在はみちのりホールディングスが事業を引継ぎ経営を行っている。

しかし自動車社会である地方都市において路線バスは取るに足らない存在なのは郡山でも例外ではなく、客が乗らないからバスが減る、バスが減るから客が乗らないという悪循環を経てやがては路線の廃止にあいなる等、まさに縮小均衡という言葉がぴったりと当てはまるのではないだろうか。さらに加えて最近は人手(運転手)不足がそれに追い打ちをかけているようだ。
例えば、福島交通は本宮市内から路線バスを撤退しているし(余談だが本宮の4号沿いにあるイエローハットは元の福島交通の車庫だっだ場所だ)、郡山市内でいわきナンバーを付けた路線バスが走ったりしていたのは、石川町(石川郡はいわきナンバーになる)の一部路線を廃止し余った車両を郡山に持ってきたからのようだし、郡山市内でも平成27年10月のダイヤ改正では福祉センター経由希望ヶ丘、福祉センター経由静団地が廃止になったりど、減便やら路線廃止の厳しい状況にさらされているのが伺える。
とはいえ、郡山駅のバスターミルを眺めてみれば複数のバスが入り乱れ、忙しなく出たり入ったりしており一見多くのバスが運行されているように感じられるが、それは郡山にバスターミルが一箇所しかないという事情からくるものであり、決して満足する程の運行本数があるからではないのである。

郡山駅のバスターミナルを眺めれば多くのバスが運行されているように見えるが…
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さて、福島交通の親会社であるみちのりホールディングスという会社であるが、福島交通の他に県内では会津バス、栃木では関東自動車、茨城では茨城交通、岩手では岩手県北バスなど地方のバス会社を傘下に収め、さらに今年の6月には神奈川の湘南モノレールを買収するなど地方の公共交通事業が大好きという非常に物好きな(失礼)もとい大変有難い会社である。複数のバス事業者を抱えることからそのノウハウを蓄積し各事業者の良い部分をグループ内に水平展開するなどしてそのメリットを最大限に生かしているようでバス事業者としては生産性が比較的高い部類にあるようだ。
また、福島交通がみちのりホールディングスの経営になってからといえば、何かイベントがあればすかさず臨時便を出すなどあざとくもなっているし、乗客を増やすためNORUCAによるバス利用優遇策なども実施しているのだが、しかし完全な自動車社会で有る郡山において普通の郡山市民からすれば路線バスを利用する事はまれあろうから、一体どれほどの市民がそれを認識しているのかと言えば、残念ながら認識どころか意識さえされていないのではないだろうか。

これを書いている僕自身はどうかと言えば通勤こそクルマではあるものの、バスに乗って駅前によく行くので結構路線バスを使っている方だとは思うが(何がいいって食事の時にビールが飲める事だw)、僕一人が使ってみたところで焼け石に水であるから公共交通をもっと多くの人に利用してもらうにはどうすればよいのか、また自家用車に偏りすぎた郡山の交通を補正する意味でも、福島交通が実施している施策などを見ながら僕自身の路線バス利用者側からの提案などを含めて路線バス利用促進策を考えてみたいと思う。

ICカードNORUCA(ノルカ)
いわゆる非接触型(タッチ式)のIC乗車券。以前は福島管内では磁気カード、郡山管内ではNORUCAとは別方式のICカードが導入されていて同じ会社なのに管轄違いで別の物が導入されるなど、なんとも非効率なことをしていたが親会社の変更に伴いNORUCAに統一された。利用者側のメリットは小銭の用意がいらない事の他、なんとってもチャージの際1000円で100円のプレミアがつく事だ。10%のプレミアというのはそうそうあるものではなくバスに乗るなら使わなければ絶対に損であるが、実際バスに乗ると殆どの人がNORUCAで支払いをしていて現金で支払う人は少ないことからNORUCAの使用割合はかなり高い事が伺える。またこういった新しいモノは年寄が分からなくて苦情がでるとかありそうだが、しかし何の事はない年寄でもちゃっちゃとNORUCAをタッチしてバスを乗り降りしていくのだ。やっぱりカネが絡むとなればみんな本気になって覚えてちゃんと使うのである(ホントに現金だw)。
それから、NORUCAであればバスを60分以内に乗り継げば2回目以降の運賃が50円引きとなる割引制度もある。そもそも定時運行に難のある路線バスでバスを乗り継ぐ人はほとんどいないだろうが、しかしその制度を実施したという心意気は買いたいところだ。

このNORUCAはどちらかと言えば利用者の利便性向上の為に導入されたものだが、事業者側のメリットとしてはICによる運賃徴収から副次的に利用状況を捕捉できる事があるようだ。整理券と現金では運賃箱に入ってしまうとどのバス停でどれだけ乗降したかは不明だが、ICならばそれが記録されるから路線設定などに活用でき効率的な運行に寄与するという訳だ。
ただ、NORUCAを使ってみて1つだけ不便だと思った事は残額の確認で、以前はバス乗降時にカードリーダーにタッチした時か郡山駅のバスターミナルにあるNORUCAチャージ機でしか出来なかったが、最近はandroidアプリにこんなのがあるのでスマホで確認できるようになった。福島交通はこのアプリの権利を買い取って公式アプリとすればよいのではないかな。

それから、どうせICカードに対応するなら福島交通独自のNORUCAではなくてSUICAに対応して欲しいという声もあるだろうが(確かにいまどき小銭で運賃を払うなどナンセンスだ)、しかし参考までにPASMOを例にとると実はこれがかなりの金食い虫で、新線や新駅その他諸々の要因からしょっちゅうシステムを更新していて、儲かってる鉄道事業者はともかく、そうでもないバス事業者などはホントはやりたくないという声もあったりして中々そのハードルは高そうだ(SUICAもおそらく同様だと思われる)。余談だが同じ傘下の茨城交通も「いばっピ」という独自ICカード(これはNORUCAベースだろう)を導入するが、SUICA/PASMOとの相互利用はできないようだからやはり相当負担が大きい事が伺える。
但しどうしてもというなら、SUICAとNORUCAの相互利用ではなく、SUICAの片利用(SUICAは福島交通で使えるが、NORUCAはJRで使えない)だけでも実現し郡山への出張者や旅行者などが利用できるようにするといいだろう。定期や割引が欲しい人はNORUCAを使ってくれと言う事だ。SUICAの片利用だけでも実現できれば、市民以外にも広く利用しやすい路線バスとなる筈だ。

休日100円サービス
定期利用者は、土日祝日に限り定期外区間で運賃が100円になる制度。さらに太っ腹なのは同乗した家族も1回の乗車に付き100円になるというもの。

エリア自由乗降サービス
循環線の定期を買えば、循環線とその循環線の内側にあるバス停のバスにすべて乗り放題となる制度。

上記2つは、定期利用に限った優遇策である。特に「休日100円サービス」の方は中々気前のいいサービスであるが、それだけ定期利用者が少ないと言う事なのだとも思う。僕が定期に目を付けたのはバス利用者を増やすためには定期利用者を増やすことが一番だと思うからだ。一般には定期運賃は割引率が高く都市部のように利用者が多いところでもない限り交通事業者の利益を圧迫する要因と見られているようだがしかし、そもそもバスの利用者の母体自体が小さい現状からすれば、定期であろうが何だろうがとにかく利用者の母体を大きくする事が先決なのである。
それから利用者側からする定期のメリットは交通費の実質的な負担が無くなる事だ。つまり通常定期は通勤の為に購入するがその費用は勤務先の会社が通勤手当として支給しているのが殆どだろうから懐が痛まずにすむ訳で、会社が休みの土日であっても定期の利用は可能だから、市街地に出る交通費が無視出来るのだ。
但し企業が支給する通勤手当は、会社から最寄りのバス停迄となるだろうから循環線の定期を購入するのはやや難があることも考えられる。このことから通勤区間の定期代(この金額で勤務先へ領収書をだす)と+αで循環線の定期代の差額(使う人は自分で負担)で分けて支払えるようにするなど若干の工夫も必要だと思われる。

定期利用者の拡大は福島交通でも理解しているようで、だからこそ各種定期の優遇策を実施しているのだろうが、残念ながらその取り組みが少しばかり甘いと思う。例えば上述の「エリア自由乗降サービス」であるが、郡山管内では「あすなろ循環」、「コスモス循環」、「さくら循環」に限られ「八山田循環」、「東部タウン循環(これは循環線とは言い難いが)」は対象外であったりして統一感が無いし、そもそもそれ以外の循環線が無い地域はそのメリットを享受できないと来ている。

また、路線バスの定期については定期代の基準が「バス停」なのか「系統・路線」なのかその仕組みが今一つわからない点も挙げられる。例えば「郡山国道事務所」から「郡山駅前」までのルートを例にとると、栄町経由郡山駅前が330円と池の台経由郡山駅前が360円でそもそも運賃(定期代)が違う事から、おそらく定期は「系統・路線」が基準になっていると思うが(すまぬ未確認だ)、しかし利用者からすれば同じバス停から発着している訳でどちらのルートであれ目的地に着けばいいのだから片方の定期を持っていれば、どっちのルートに乗っても良いことにすれば実質的に便数の増加となり大いに利便性が向上する。運賃の違いをどうするかなど若干詳細をつめなければならない部分もあるが、これは是非検討してもらいたいところだ。

おでかけノルカ
土曜・日曜・祝日の全日および平日の10:00~17:00に限り、全路線乗り放題の定期制度。

これは通勤時間を除いた閑散時間帯のバス利用促進策とでも言える制度。いわゆる需要と供給の関係から空いている時は安く利用できるこの案を実施しているのだろうがしかし、一体この定期を有効に使える人が郡山にどれだけいるのだろうかという疑問がわかないでもない。
例えば現役をリタイヤした世代でで有れば、ノルカパス65・75の方が有利であるし、共働きしなくてもいい優雅な奥様(専業主婦)などはそもそも自分の車があるだろう。日中比較的時間のある大学生だとしても、夕方~夜にかけてのバイトに行くのに使えない(夜は9時以降だと便数が極端に減るのでそもそも路線バス自体が使えないのだが)などターゲットとする層が僕には思いつかないが、まぁこういう制度も無いよりは有った方がいいだろうといったところか。
ここでもうひとひねりの提案をすると、おでかけノルカの休日限定版があればいいと思う。つまり土曜・日曜・祝日の全日、全路線乗り放題の定期制度である。おでかけノルカが1ヶ月で7,000円であるから、1ヶ月の約3分の1が休日と考えれば、料金も3分の1で2,000~2,500円程度ならまぁまぁお得感もあるし、利用者も結構拾えるのではないかと考えるが果たしてどうだろうか?

さて、ここまでは福島交通が実施している割引制度をいくつか見てみたが、次は利用者視点の施策を考えてみたい。

・バスロケーションシステムの整備
まずは何といっても真っ先に出てくるのは、やはりバスロケーションシステムだろう。都会のように便数が多いところならともかく、1時間に1本しかない様な郡山でバスを逃がしてしまうのは痛恨のミスである。路線バスの弱点として定時運行が難しく多少の遅延は前提となるが、10分程度の遅延はともかく15分以上となると、遅れているのかそれとももう行ってしまったのか判断がつかず困ってしまうのだ。以前は大幅な遅延は年末の時期的な混雑などに限られていたが、最近では夏場のゲリラ豪雨で30分の遅れが出るなどその頻度が上がってきている。こういった大幅な遅延はその後の予定のリカバリが効かなくなってしまうが、バスロケーションシステムで乗りたいバスの状況が把握出来れば、遅れが許容出来るなら家を出るのを遅らせればよいし、許容出来ないならタクシーなど他の手段をとることが可能だ。現時点でみちのりホールディングス内でバスロケーションシステムを運用しているバス会社は無いようだか、これからの路線バスには必須のものになるだろう。

・運行経路の明示化
これは一体何を言いたいのかというと。路線バスの走っている経路・道順を公開してほしいと言うことだ。路線バスとは不思議な乗り物で自分が乗る路線はどういう道を通って走って行くかは分かるが、自分が乗らない路線はどこを走って行くのか全く分からないのである。福島交通のホームページにもバス停の場所は分かるようになっているのだが、運行経路は載っておらず果たして八山田循環は郡山北警察署の方に行くらしいが、どこを通るか全く謎である状況であった。つまりバスでどこかに行こうとした際どの路線に乗ればよいのかを明確に出来ればよいと言う事である。
とここまで書いたら実はNAVITIMEでバス路線図検索ができるようになっていたのを最近知ったので紹介しておこう。実は先日とある交通関連のセミナーに参加したのだが、鉄道の駅というのは地図上に記載されるから分かるが、バス停というのはその実態を調査するのが非常に困難でありIT化が進むバス事業者はともかく、そうでない事業者などはいったいどうやってバス停の位置や時刻表に運行路線を管理しているのか不思議なくらいにデータが入手できないというような話を聞いた(おそらく電子データ化されておらず、紙ベースで特定の職員がが職人芸的な管理をしているのだろう)。
そのようなことから、バスの路線図検索や乗り換え案内といのがネットにも存在しなかったようだが、ここ数年で一部事業者からは、データの提供が受けられるようになったのだろうバスの路線図検索や乗り換え案内が可能となってきている。この路線図検索は我が福島交通を始め会津バスに関東自動車、茨城交通などグループ各社が対応しており、これは「やるな!みちのりグループ」と礼讚しておこう。

・循環線の拡充
前述の通り郡山にはいくつか循環線が存在するが、循環線の路線をもう少し増やし市内の各地域に満遍なく設定するのである。そうすれば「エリア自由乗降サービス」を使える範囲も広がる事になる。
それから路線バスの利用者を増やすに当たっては、路線バスがある程度使えると感じさせる運行本数が必要で、僕はその本数は最低で30分に1本(本当なら20分に1本位は欲しいところだが)と考えている。現在郡山でそれが実現できているのは、郡山駅からさくら通りを49号線迄の区間と、希望ヶ丘団地それから静団地のごく一部だけであり、比較的恵まれている路線でも1時間に1本がやっとな状況である。
しかし、その他の路線まで運行本数の増加せよと言っても、運転手不足等々でなかなか実現も難しいであろう事も理解できるから、ならば二つある別々の路線を循環線として統合することによって30分に1本の運行を実現する手段としての循環線なのである。
つまり循環線の順回りと逆回りでそれぞれ発車時間をずらして1時間に1本ずつ運行すれば曲がりなりにも30分に1本の運行本数を実現できるし、かりに逆回りで遠回りしても「エリア自由乗降サービス」なら、時間はかかるものの運賃的な負担は無いし天候不良などの場合、雨・風・雪の中バスを待ってるより取り合えず来た奴に乗れた方が有難いだろう。そんな訳で現時点では郡山の南部に設定が無い循環線をいくつか考えてみた。

郡山で循環線の代表的な存在であるコスモス循環(西の内先回り)。他の地区にも満遍なく循環線を整備したい。
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池の台経由鎗ヶ池団地線の循環化 三中経由 栄町(4号)経由
池の台経由鎗ヶ池団地を循環線としたもの。この路線は終点の郡山国道事務所まで来ると来た道をそのまま戻っていってしまうが、三中経由もしくは4号線で循環する。個人的には需要を発掘するという意味でも三中経由を推しておきたい。

安積循環
同じく三中経由で安積行政センター、4号線で循環する。この三中の脇を南北に繋ぐ道は、主だった施設は土屋病院ぐらいしか無いがしかし住宅密集地である。古くは三中経由柴宮団地行きの路線があったものの廃止されるなど中々うまくいかないのだがしかし三中経由菜根三丁目という路線が細々と運行されているし、4号線からも内環状線からも微妙に距離があって離れているこの道には拾える需要がある筈だ。場合によってはヨークベニマル安積店あるいは、ツルハドラッグ郡山安積店付近まで延伸するのもありだろう。

池の台経由鎗ヶ池団地線安積団地線の路線統合による循環化
安積団地線のテコ入れ策。後述するが通り安積団地は人口が減ってしまっていてそれに伴い便数も大幅減となっているが、これを、池の台経由鎗ヶ池団地線と統合して循環線とする。昔の安積団地は袋小路になっていて安積中学校側からしかアクセスできず、何とも不便なところだったが、20年くらい前に笹原川に橋が架かり郡山南インター線・4号バイパス側からもアクセスできるようになった。来年には災害公営住宅も出来るし検討する価値はあるのではないか。やまや荒井店近辺がやや強引なルート設定なのは、南インター線との接続の都合で片方向からしか通行出来ないからであり他意はないと断っておく。

・郡山駅を経由しない内環状縦貫線の新設
現在郡山には、唯一郡山駅を経由しない「西の内・安積線」という路線が存在する。これは元々実証実験路線として富田行政センター~西の内~安積団地をつないで運行していたものだが、平均で一便あたり18人の利用があったとの事で(但し実験路線と言う事で運賃が無料だった)正式路線として2010年から西の内~安積線となったもの。しかし、当初は1時間に1本で運行されていたものの、年々便数が減り今では実証実験で路線を作った手前もあるのかアリバイ作りの為に運行しているような路線になってしまっている。僕からするとこの西の内・安積線は色々狙って狙い過ぎたきらいがあるように感じていて運行経路を見てみると、安積団地を出発し安積中を曲がり三中脇の通りを北へモールまで進む。そこから桜通りを市役所まで進み市役所脇を郡山郵便局まで進んだら内環状線へ出て、うねめ通りを国道4号方面へというルートとなっている。

郡山の路線バスで唯一郡山駅を始点終点としない西の内・安積線
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バスという機動性を生かし、寄れるところは総なめにしていく(土屋病院、酒蓋・荒池公園、郡山中央公民館、郡山公会堂、郡山図書館、ザ・モール、市役所、年金事務所、総合福祉センター、郡山郵便局、保健所、イトーヨーカドー、太田西ノ内病院)と言う事だったのかもしれないが、こんなルート設定ではそもそも分かりにくいうえにまず定時運行はムリだろう。実証実験とは違い正式な営業路線となれば運賃がかかり全線乗ると450円にもなってしまう事もあり利用客が減ってしまったのではないだろうか。それに始点・終点が安積団地というのも微妙なところで、かつて昭和の時期は安積団地には相当数の人口と世帯数があったが、しかし今では古い低層の集合住宅をほぼ解体してしまっているので(だから妙にがらんとしている)、思ったほど人口は多くないのである。これはバスを折り返す為の転回所の都合でこうなったのかもしれないが、利用者の利便性から考えると見直しが必要なのではないだろうか。但し現在災害公営住宅を建設しているのでこれから人口増が見込まれることは記しておく。

西の内・安積線のバス停しかしいつのまにか本数が激減している
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そこで僕の見直し案であるその名も「内環状縦貫線」である。確かに「西の内・安積線」で狙った郡山駅を経由しないというのは、うまくやれば需要を掘り起こせる可能性はある。それは郡山市の現状が郊外化が進んでいるにも関わらず、バスに乗ると郊外から一旦駅前に移動しそこで乗り換えまた郊外へと移動することになり何ともムダであるからだ。直接郊外から郊外に移動できればムダを解消できるし時間的な余裕も生まれそれは利用者からすれば有難い事なのである。具体的には郡山の中心部を南北につなぐ内環状線を往復する路線をつくると言う事だ。

内環状縦貫線の路線図
上に示した路線図であるが、南は郡山南インター線付近から、北は国道4号交点までの内環状線にバスを走らせるのである。「西の内・安積線」のように訳の分からないルートは通らず、基本内環状線のみの分かりやすい路線設定としている。
しかしながらその沿線の徒歩圏内には、南から鎗ヶ池団地、北井団地、久留米(住宅地)、菜根(住宅地)、郡山商業高校、鶴見坦(住宅地)、郡山総合体育館、少し歩くがザ・モールに安積黎明高校、開成山公園、郡山市役所、朝日(住宅地)、郡山保健所、西部プラザ(イトーヨーカドー・ゼビオ・ケーズデンキ)、太田西ノ内病院、並木(住宅地)、新設予定の郡山富田駅、奥羽大学、八山田(住宅地)、郡山北高校、南東北病院と郡山の中心部を貫く内環状線だけあって郡山の主要な施設と住宅地を全部とまではいかないが、相当に網羅している。
しかも、内環状線は郡山の主だった各道路とも交差しているから、静御前通り、文化通り、麓山通り、さくら通り、うねめ通り、郡山インター線、国道4号線など、これらの通りを走るバスとの乗り換えをするにも都合がいい。なにもわざわざ駅前に行くというムダだって解消できるし、前述した乗り継ぎ割引も生きてくるのだ。
始点終点は南が荒井中央公園、北は国道4号マルハン前の路側帯である。郡山駅を介さないので始点終点のバス待機・転回所はバスの時間調整や運転手の休憩など重要であるが、荒井中央公園はその昔池の台経由鎗ヶ池団地のバス待機所だったし、何だったら先述の循環線の様に安積団地まで延伸しても構わない。一方のマルハン前の4号線の路側帯は昔、トラックの過積載の重量測定所があった場所で、今は特に利用もされず広い路側帯になっているが公共交通で有るバスの待機所としても何ら問題はないだろう。

さらに、内環状線と交差する各通りにてバスの乗り継ぎを考えた場合、乗客からすれば乗り換えの為にバス待合所があれば有難いが、敷地確保が容易でない点が問題となるだろうが、しかしこれはコンビニ等が活用出来ると考えるのだ。
例えばであるが、内環状線とさくら通りの交差点には現在ファミマが存在するのはご存じだろう。このファミマに広めのイートインコーナーを設けしそこにテーブルは置かずベンチと大画面モニタを設置する。そしてバスロケーションシステムから最寄りバス停へのバス到着状況をモニタに表示しバス待合所とするのである。その設置費用や維持費などは福島交通とファミマオーナーで割合を決めて互いに捻出するといいだろう。
こうすれば、福島交通にとってはバス待合所を安く設置できるし、ファミマだってバス待ちの客を店舗に誘引する事ができ、そうすれば何か買っていく可能性が高まる。特に夏などバス停から歩いて来た客がベンチで一休みなどしてしまうと汗がどっと噴き出してくるだろうから、ついついコンビニコーヒーの一杯も飲んでしまう算段である。高々100円のコンビニコーヒーとはいえバカには出来ない、なぜならあのコーヒーは粗利が高いとされているから、コーヒーを飲む客に限らず売った店にもおいしい商品なのである。さらにファミマにとれば待合所の設置は企業の社会貢献という事にもなる。バスの乗客は待合所を使える訳でまさに、近江商人よろしく三方良しといえるのではないだろうか。ポイントは僕がよく言うように今ある設備やモノをひと工夫して最大限に活用する事なのである。

内環状縦貫線との2020構想の連携路線図
さらにこの内環状縦貫線を拡大解釈し、拙案である2020構想を掛け合わせるならこのような感じになる。それぞれの始点終点が、ビックパレット駅と宝沢駅で鉄道とバスが競合するのではなくお互いを補完する関係になり内環状縦貫線と2020構想は相性がいい。鉄道とバスの乗り継ぎ割引なども実施すればますます利用者の利便性が高まる事だろう。

以上いつもの事ながら長々と今回は路線バスについて考えてみた。ここに書いたことはおそらく一交通事業者として出来る最大限の事であると思うが、しかし仮にここまでの事を全部やったとして(自分で書いておいて何だが)も大して路線バスの利用促進に効果が出ないであろうことも想像できる。それは郡山市の現状と、路線バスの現状に乖離というかミスマッチがあるからだ。つまり内環状縦貫線のところにちょっと書いた通り、郊外化が進んだのに対し路線バスは依然として郡山駅前を中心とした運行をしているからだ。しかしこれ以上は交通事業者の範疇を超え、郡山市の交通政策や街づくりといった視点からの政策が必要だと言う事なのかもしれない。ならばその街づくりの視点からの公共交通については、また別の機会に考えてみることにしたい。
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あさか野

Author:あさか野
郡山の行く末を思案するロスジェネ世代の郡山市民

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